はじめに3
はじめに、がいくつ続くのだろう。
ケストナーの飛ぶ教室は、延々続く「はじめに」が秀逸で、北杜夫もそれを真似てなにかの小説(さびしい王様、だったかな…?)で壮大な「はじめに」を書いていて笑えたが、(ちなみに北杜夫の小説では、怪盗ジバコが一番好き)、わたしは小説家じゃないので早めにまとめたい。
小学生の頃夢中になった本の話をしたので、ついでに中学生で夢中になった本の話から入る。
ちなみに、今まで列挙したなかに漫画類が一切入っていないが、それはべつにわざと省いた訳ではない。
小中学生の頃は、本でないと親に買ってもらえなかったので、本当に、手塚治虫とドラえもんぐらいしか漫画は読んでいなかった。昭和の少年か。
大学生になって初めてジャンプ系の漫画を読んだときは、速やかにハマった。デスノートとか銀魂とか、そのあたりをはじめに読んだと思うが、遅れて来た中二という感じだった。
さて、中学生の時夢中になった本だが、太宰治とか中島敦とか、当時好きだった、語りたい小説はたくさんあるが、ここではやめておく。この頃は、小説だけでなく、ノンフィクションもたまに読むようになった。
アメリカの超エリート高校に留学した日本人高校生(あれ、中学生だったかな…)の体験記とか、歴史解説モノとか。
そして、わたしの進路に影響を与えたのが、落合信彦のケネディからの伝言だった。
…ちょっとドラマティックに書いてしまったが、本についての詳細は、その割に覚えていない。
ただ、ケネディ大統領の演説のなかでも有名な大統領就任式での演説と、平和のための…なんちゃら…とか言う演説が(どこかの大学の卒業式で行った、平和は理想主義者の空想などではない…みたいなやつ)、衝撃的だった。あのスピーチを書いた人はすごいが、何よりアメリカの大統領がそれを言ってることが衝撃的だった。
理想を掲げながら現実に道すじを探してくれる人がリーダーの座に居ることが、あまねく社会の末端にまで希望をもたらすのかと感動した覚えがある。
政治家というと汚職ぐらいしか浮かばなかったイメージもがらりと変えられた。
そこで初めて、小説の中ではない、現実の社会に興味を強く持ったような気がする。